失敗しない注文住宅の壁紙・クロスの選び方
部屋の中の大きな要素となる壁紙・クロス。サンプルをご覧になったことがある方はその種類の多さに驚かれたことかと思います。もともと壁紙・クロスに関心があった方はともかく、注文住宅を建てる際に選ぶとなると、視界に入る面積が大きいだけに迷ってしまう方も多いでしょう。
そこで今回は、失敗しない注文住宅の壁紙・クロスの選び方についてご紹介します。
目次
壁紙・クロスの種類
主な壁紙・クロスは下記の6種類です。
1. ビニールクロス:
多くの住宅で採用されており、カラーやパターンが豊富。
2. 紙クロス:
欧米でメジャー、プリント・エンボスなどの加工がされたものや、和紙・特殊紙タイプなどがある。
3. 布クロス(織物クロス):
防音性があり、空気を通してくれるため、和室に適している。
4. 木質系壁紙:
コルクシートと銘木シートがある。温もりのある雰囲気作りに最適。
5. 無機質系壁紙:
主な原料は石・土などの自然素材やセラミック素材など。防火性に優れている。
6. オレフィン壁紙:
プラスチックの一種であるオレフィンを主原料としている。環境にやさしい。
壁紙・クロスの選び方
数えきれないほどある壁紙・クロスのなかから「これだ!」と思う壁紙を見つけ出すことは簡単ではないでしょう。
もちろんマイホームなので、絶対的な決まりはありません。迷ったときは優先すべき点を念頭におきつつ、以下のポイントを意識していくと、ある程度の数の壁紙・クロスに絞られてくるはずです。
本記事では、基本的な壁紙・クロスの選び方をご紹介します。
1. 理想の部屋の画像を参考にする
壁紙・クロスのサンプルは微妙な違いしかないものも多いです。気になるものをチェックしていたら膨大な量になっていた、という方もいるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、「いいな」と思える理想の部屋の画像を参考にしてみる方法です。細かな質感まで画像から確認することは難しいかもしれませんが、色や柄であれば、画像だけでも十分にイメージが掴めるでしょう。
2. 設備や建具との調和を考える
注文住宅の場合、キッチンやお風呂といった水まわりの設備や、下駄箱やドアといった建具など、家によってサイズを微調整する必要があるものを先に決めることが多いものです。
そのため、設備や建具との調和を考えながら壁紙を選んでみるのもよいでしょう。たとえば木目調の設備や建具を選んだ場合は、シンプルでナチュラルな壁紙を選ぶことによって木目のもつ美しさがより際立ちます。モノトーンや同系色といったまとめ方で壁紙・クロスを選ぶというのもひとつの手です。
3. 部屋ごとに壁紙・クロスを変えてみる
「壁紙選びは失敗したくないけれど、せっかくの注文住宅なので遊び心も欲しい!」そう考える方も少なくないでしょう。そんな方におすすめしたいのは、部屋ごとに壁紙・クロスを変える方法です。
たとえば基本的には白い壁紙でも、部屋によってそれぞれ違う色のアクセントクロスを使ってみると、部屋ごとに雰囲気が変わり面白さが生まれます。もっと冒険してみたいなら、トイレや浴室など、狭いスペースに思い切った柄の壁紙・クロスを使ってみるのもおすすめです。
機能性で壁紙・クロスを選ぶ
色や柄などのざっくりとした方向性は決まっても、壁紙・クロスはまだまだ選択肢があります。よく見ると違う凹凸などの模様も様々なものがありますが、それよりも先に注目していただきたいのが、それぞれの壁紙・クロスがもつ機能です。
ざっくりとした方向性が決まったら、次は機能性の面から絞り込んでいくことが可能です。もちろん高機能の壁紙は単価も高くなる傾向がありますので、予算も踏まえたうえで、何を重視するのかを考えていきましょう。
1. 人が集まりやすい場所には汚れ・傷に強いタイプ
リビングやダイニングは食事をしたり子どもが遊びや勉強したりと、人が集まりやすく活動的なスペースです。「汚れ防止」や「表面強化」といった機能がついた壁紙・クロスは、ペットを飼っているご家庭にもおすすめの素材です。
また、「○○年まで継続」など、何年も先まで製造されることが約束されている壁紙であれば、部分的に目立つ汚れや傷がついた場合にも同じもので張替えができるため、より安心でしょう。
2. 場所や体質に合わせる室内環境を整えるタイプ
壁紙・クロスには、次のような機能を持ったものも販売されています。
● 消臭効果
● 抗アレルゲン・ウィルス
注文住宅を建てる土地特有の環境や住人の体質に合わせて、「室内環境を整える」という観点で壁紙・クロスを選ぶことが可能です。
消臭効果
トイレやキッチン、ダイニングなどニオイのつきやすい場所や、喫煙者のいるご家庭には消臭効果のある壁紙・クロスもおすすめです。
このような壁紙・クロスのなかにはシックハウス症候群の原因物質のひとつとされている化学物質「ホルムアルデヒド」を低減させる効果があるものも販売されています。シックハウス症候群の不安がある方にとっては、安心材料のひとつになるでしょう。
抗アレルゲン・ウィルス
花粉やダニをなどのアレルギーをおもちの方は、アレル物質を吸着する素材の壁紙・クロスを選んでみるのもよいでしょう。
また、最近ではウイルス対策や抗菌性のある壁紙・クロスも販売されています。持病がある方や、小さな子どもやお年寄りが住む予定の住宅にもおすすめです。
3. 調湿タイプ
湿気を調整する機能を持つ「調湿タイプ」と呼ばれる壁紙・クロスも豊富に販売されています。
湿気が多い日本では、カビや結露に悩まされているご家庭も少なくありません。調湿タイプの壁紙・クロスは、湿気を吸収したり、吸収した水分を放出する機能をもっています。湿気が発生しやすい浴室はもちろん、クローゼットの中や日当たりや風通しがあまり良くないお部屋にもおすすめです。
【まとめ】壁紙・クロス選びに迷ったらプロに相談を!
壁紙・クロスは、なんとなく選ぶのが難しいほど膨大な種類の製品が販売されています。失敗なく壁紙・クロスを選ぶためには、まずは理想のイメージや建具とのバランスなどの視覚的な面から好みのものを選んで数を絞り込み、さらに機能面で数を絞っていくとよいでしょう。
それでも迷ってしまう場合は、工務店やハウスメーカーといったプロのスタッフに相談するのがおすすめです。人気のある壁紙・クロスを教えてくれたり、気付かなかったポイントをアドバイスしてくれたりするでしょう。