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Column

打ち水と土間 ― 気化熱で、潤いと涼しさをデザインする住まい

夕立のあと、なぜ涼しく感じるのか

真夏の暑い日に、突然夕立が降ったあと。
さっきまでの暑さが和らぎ、空気がひんやりと感じられた経験はありませんか。

これは、水が蒸発するときに周囲の熱を奪う「気化熱」という自然の働きによるものです。
冷蔵庫やエアコンも、この原理を利用して空気を冷やしています。

この気化熱を、昔の日本人はとても身近な方法で暮らしに取り入れてきました。
その代表例が、打ち水です。

打ち水は、自然のエアコン

朝や夕方、地面に水を撒く。
それだけで周囲の温度が下がり、風が通ると涼しさを感じる——。

打ち水は、電気も機械も使わない、いわば自然のエアコン。特に、日射で熱を溜め込みやすい地面や舗装面では、その効果をはっきり体感できます。

ただし、打ち水の本当の力は「どこに、どう取り入れるか」で大きく変わります。

土間は、微気候をつくるための「装置」

そこで重要になるのが、土間の存在です。

昔の日本の家には、室内でありながら外ともつながる土間がありました。ここは単なる作業スペースではなく、家の中の空気環境を整えるための場所でもあったのです。

土間に打ち水をすると、

● 気化熱で空気がやわらかく冷やされる
● 湿度が適度に保たれ、体感温度が下がる
● その空気が家の奥へとゆっくり流れていく

という、自然な微気候の循環が生まれます。

現代住宅では断熱性・気密性が高くなった分、冬場の乾燥が気になることもありますが、土間に水を打つことで過度な乾燥を防ぐ知恵としても活用できます。

井戸・庭・植物がつくる、涼の相乗効果

京都の町家などでは、中庭に井戸を設け、その水を庭や植栽に撒くことで、さらに涼しい空気を生み出していました。



植物

この3つが組み合わさることで、

● 空気が浄化され
● 温度がやわらぎ
● 心地よい風が生まれる

つまり、「家の中の空気そのものをデザインする」発想です。

これは決して特別な技術ではなく、自然をよく観察し、上手に取り入れてきた先人の知恵でした。

水元工務店の家づくり:過去の知恵を現代の性能と設計へ

水元工務店では、こうした日本の住まいに受け継がれてきた知恵を、
現代の性能と設計に落とし込んだ家づくりを大切にしています。

高断熱・高気密によって外気の影響を抑えながら、

● 土間や軒下といった「内と外をつなぐ空間」
● 風の通り道を考えた間取り
● 夏と冬で異なる日射の入り方を意識した設計

を組み合わせることで、機械に頼りすぎない、心地よい住環境を目指しています。

打ち水や土間は、懐かしいだけの存在ではありません。
気候変動が進む今だからこそ、住まいの中で「自然とどう付き合うか」を考えるヒントになります。

水元工務店は、その土地、その暮らしに合った“微気候をデザインする家づくり”を、これからも丁寧に続けていきます。

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