fbpx

Column

絵心が磨く家 ――建築家としての「尾形光琳」に学ぶ、空間美の本質

琳派の巨匠が自ら描いた「理想の住まい」

江戸時代を代表する画家、尾形光琳。
国宝「紅白梅図屏風」をはじめとする琳派の名作で知られる彼ですが、実は住まいそのものにも強い美意識と執着を持っていた人物でした。

光琳は、京都に自邸を構える際、自ら設計図を描き、何度も修正を重ねています。
現存する図面には、書き直しの痕跡や試行錯誤の跡が色濃く残されており、それは単なる「住むための家」ではなく、創作の源泉となる場、精神を整える器としての住まいを求めていたことを物語っています。

彼にとって家とは、生活の背景ではなく、表現を生み出すための“もう一つの作品”だったのです。

遠近感と空間構成に宿る「絵師の視点」

光琳の住まいで特に注目すべきなのが、空間の構成力です。
アトリエと茶室の配置を何度も入れ替え、天井の高い2階には制作のための絵所を設け、光の入り方、視線の抜け、部屋から見える景色を徹底的に吟味しています。

これはまさに、絵画における「構図」の感覚そのものです。
手前と奥、明と暗、余白と密度。
一枚の絵を描くように、空間全体を捉えていたことがわかります。

茶室の小さな窓から切り取られる庭の一部、玄関から室内へと続く視線の流れ。
それらは偶然ではなく、意図された体験でした。

芸術と暮らしが溶け合う「場」の思想

この光琳の住まいは、現在、熱海のMOA美術館に忠実に再現されています。
実際にその空間に立つと、派手な装飾があるわけでも、広大な面積があるわけでもないのに、不思議と心が落ち着き、感覚が研ぎ澄まされていくのを感じます。

芸術と暮らしは、本来分断されるものではありません。
日々をどう過ごすか、どんな景色を目にし、どんな光の中で呼吸をするか。
その積み重ねが、感性を育て、名作を生んだのでしょう。

▶家づくりの相談をしてみる

follow us

  • 水元工務店 Instagram
  • 水元工務店 Facebook
  • 水元工務店 YouTube Ch.

お電話でのお問い合わせ

0120-502-778
営業時間 9:00〜18:00 定休日 毎週水曜・隔週火曜、夏季休業・年末年始
0120-502-778