『くら』に宿る日本の知恵──モノと心の居場所を整えるということ
目次
「蔵・倉・庫」——日本語が教えてくれる“収納”の原点
「くら」と聞くと、多くの方がまず思い浮かべるのは、白壁の重厚な建物に家宝をしまっていた “蔵” かもしれません。
しかし、日本語の「くら」には他にも仲間がいます。
● 蔵(くら):大切なものを守る建物
● 倉(くら):穀物や農作物など“日々の糧”をしまう場所
● 庫(くら):車や道具などの収納、現代でいえばガレージ的な空間
同じ「くら」でも、何を守るのか、何をしまうのかによって役割が異なるという点がとても興味深いところです。
日本人は昔から、「モノに合った居場所をつくる」文化を大切にしてきたのだと気づかされます。

「坐(くら)」──“あるべき場所”というもう一つの意味
さらに奥深いのが、「あぐら」の「くら」に使われる “坐(くら)” の字。
これは建物ではなく、
✔「あるべき場所」「ふさわしい位置」
を意味しています。
例えば…
● 主が座る“決まった席”
● お気に入りの絵を掛ける“ここ”という定位置
● 家に帰って鍵を置く“小さなスペース”
これらはすべて、“坐(くら)=モノの居場所”。
つまり「くら」という言葉は、物理的な収納 と 心理的な落ち着く場所どちらにも通じる概念なのです。
山の名も、心の働きも。“くら”は世界の文化に生きている
実はこの「くら」という考え方、世界の言語にも驚くほど共通点があります。
ヒマラヤ
→「ヒム(雪)」+「アラヤ(蔵)」
→=“雪の蔵”
阿頼耶(アラヤ)識(インド仏教)
→ 潜在意識、心の奥底に溜まる“見えない知識の蔵”
このように、人類は昔から
✔ 目に見えるモノの居場所
✔ 目に見えない心の居場所
の両方を「くら」として扱ってきました。
私たち自身の心の中にも、大切な記憶や感情が静かに収まっている“見えない蔵”があるのかもしれません。

住まいは“モノと心”に居場所をつくる器
こうした「くら」という概念から見えてくるのは、人は“モノの居場所”と“心の居場所”の両方を必要としている ということ。
家を建てるという行為は、ただ収納量を増やしたり、間取りを整えたりするだけではありません。
✔ 家族のモノに、落ち着く居場所をつくる
✔ 自分の心に、ゆっくり戻れる居場所をつくる
その2つを同時に叶える、大きな節目なのです。
水元工務店の家づくり──“居場所”が整うと、暮らしはもっとやさしくなる
水元工務店が大切にしているのは、単に「収納量が多い家」ではなく、家族それぞれの暮らしに合った“居場所の設計” です。
✅ モノが迷子にならない収納のつくり方
✅ 帰宅後、自然と片づく“動き”の流れ
✅ 心が落ち着くリビングの光と配置
✅ 家族が集まる場所と、一人で静かに過ごす場所のバランス
✅ 長く安心できる空間の素材選び
このような、モノにも心にも「くら(居場所)」を与える設計 が、住んでからの心地よさにつながります。
家は、ただ住むための器ではなく、家族の時間と記憶がそっと収まる“ひとつの大きな蔵”でもあるのです。






