壁の中は、あとから見えません――工事中の品質をどう確かめるか
家の打合せでは、見えるものの話が中心になります。床の色、キッチンの高さ、窓から見える景色。どれも毎日目にするものですから、当然のことです。
ただ、住み心地を長く左右するものの多くは、完成したときには見えなくなっています。断熱材の入り方、金物の締まり方、配管の通し方。壁を閉じてしまえば、住んでいる方が確かめる方法はほとんどありません。
今回は、その「見えなくなるところ」を、私たちがどう扱っているかについてお話しします。
先にお断りしておくと、今回は地味な話が続きます。写真にもなりにくく、打合せの席で盛り上がる話でもありません。それでも書いておきたいと思ったのは、ここが住み心地をいちばん長く左右するところだからです。
家は、完成した瞬間に見えなくなる
住宅の性能は、設計の段階で決まると思われがちです。実際には、設計で決めたとおりに現場で組まれてはじめて、その性能が出ます。
たとえば断熱材は、すき間なく入っているかどうかで効き方が変わります。金物は、決められた位置に決められた本数が留まっているかどうかで、構造の計算どおりの強さになります。
つまり図面と現場は、どちらか一方では完成しません。どれだけ精密に計算しても、現場でその通りに組まれなければ、数字は紙の上のものになってしまいます。
そして厄介なことに、工事中の質は、完成後に写真で確かめることができません。壁が閉じた瞬間に、そこは見えないところになります。
だからこそ、閉じる前にどう確かめたかが、住まいの安心を支えています。

つくる前に、全員で同じ図面を見る
見えなくなるところの品質を守る方法は、大きく二つあります。ひとつは、間違いが起きる前に防ぐこと。もうひとつは、起きていないかを確かめることです。
ひとつめのために、着工前の確認会議があります。工事が始まる前に、設計と工務、そして現場に入る職人が同じ図面を見て、どこがどうなるのかを揃えておく場です。
家づくりの現場には、多くの会社と職人が関わります。基礎、大工、屋根、断熱、電気、水道、内装。それぞれが別のタイミングで入るため、どこか一箇所で認識がずれると、後の工程に影響します。
確かめるのは、図面の中身だけではありません。水道は通っているか。工事車両を停める場所は確保できているか。道路を使うための手続きは、どこまで進んでいるか。工事が始まれば必ず出てくる話なので、この場でまとめて確認しておきます。
ここを押さえておくと、余裕をもって段取りを組めます。そのぶん、現場の細かな注意点にも目が届くようになります。
そのずれを、工事が始まってから見つけるのではなく、始まる前に見つける。地味な取り組みですが、私たちが「施主検査での指摘ゼロ」を目標に掲げるうえで、いちばん効いている部分だと考えています。
見慣れてしまう、ということ
もうひとつは、確かめる仕組みです。
ただ、自分たちの仕事を自分たちだけで見るのには、どうしても限界があります。毎日見ているものほど、目が慣れてしまうからです。
たとえば、このコラムもそうです。書いた本人が読み返しているだけでは、言い回しのおかしなところに気づけません。誰かに一度読んでもらって、はじめて分かります。
現場も同じです。
そこで水元工務店では、第三者機関による監査を受けています。社外の目で、品質と安全が基準どおりに保たれているかを客観的にチェックしてもらう仕組みです。
社内の点検は、どうしても「いつものやり方」が前提になります。外部の基準に照らして見てもらうことで、自分たちでは気づけなかった点が見つかります。指摘を受けることは、人間、気持ちのいいものではありません。それでも、住まわれるご家族が壁の中を確かめられない以上、自画自賛ではない裏づけを持っておくことが、私たちの責任だと考えています。
水元工務店の家づくり:見えなくなるところに、時間をかける
現場の品質は、検査の仕組みだけで生まれるものではありません。そこで働く人たちの環境にも左右されます。
水元工務店では、「日本一綺麗な現場」を目標に掲げて現場の環境整備に取り組んでいます。材料が整理され、通路が確保され、道具の置き場所が決まっている。そうした現場では、作業そのものが丁寧になりますし、近隣の皆様にご迷惑をおかけすることも減ります。

そして家づくりは、私たち一社でできる仕事ではありません。お客様と、協力会社と、水元工務店。この三者が支え合う体制を「絆会」と呼び、家づくりを一社の仕事ではなく、みんなで育てる営みとして考えています。
見えなくなるところにかけた時間は、十年後、二十年後の住み心地として残っていきます。そして、工事の途中に足を運んでくださった方には、その時間がそのまま目に見える形で伝わります。
建築中の現場は、壁が閉じる前の姿を見ていただける、貴重な機会です。断熱材の入り方も、金物の付き方も、そのときだけは目で確かめられます。構造見学会の機会に、ぜひご覧になってください。
お問い合わせ:0120-502-778
※「日本一綺麗な現場」は、水元工務店が掲げている目標・合言葉です。
※「施主検査での指摘ゼロ」は運用上の目標です。
※第三者機関による監査は、品質・安全を客観的に確認するための取り組みです。監査の対象・範囲は項目により異なります。
※構造見学会は、壁を閉じる前の工程をご覧いただくものです。ご覧いただける範囲は工事の進み具合により変わります。






