その家、まだ活かせます――実家と、いま住む家のリノベーション
家を持つことを考えはじめたとき、多くの方がまず「新築」を思い浮かべます。けれども実際にご相談をいただくと、出発点はもっといろいろです。
親御様から実家を受け継ぐことになった。あるいは、いま住んでいる家をこの先どうするか、そろそろ決めたい。
今回は、そうした「すでにある家」から始まる家づくりについて、手を入れる前に考えておきたいことを整理してみます。
目次
「新築ではなく」ではなく、「この家で」
リノベーションのご相談は、あきらめから始まるものだと思われがちです。
けれども実際にお話をうかがうと、そうとも限りません。リノベーションのモデルハウスに足を運んでくださったお客様からは、「リノベーションでどこまで工事ができるのか、新築との違いを見てみたかった」というお声や、「実家をリノベーションして、理想の住まいにしたい」というお声をいただいています。
新築と比べたうえで、この家でいく。そう決めている方が、たしかにいらっしゃいます。
リノベーションの入り口は、ひとつではありません
ひと口にリノベーションといっても、入り口によって考えることはずいぶん変わります。
実家を受け継ぐ場合は、建物の情報がある程度そろっていることが強みです。いつ建てたのか、どこを直したことがあるのか、雨漏りや傾きの心配はあるか。親御様に聞けば分かることが多く、これは大きな利点です。一方で、間取りが当時の暮らし方のままになっていることも多く、いまのご家族に合わせた見直しが必要になります。
いま住んでいる家に手を入れる場合は、暮らしのなかで感じてきたことが、そのまま手がかりになります。冬の朝に少しひんやりする部屋。なんとなく遠回りしている動線。何年も過ごしてきたご家族だからこそ気づけることが、設計の材料になります。
どちらの入り口にも共通しているのは、「見えているところ」より「見えていないところ」で判断が決まるということです。
築年数より、どう建てられているか
古い家に手を入れると決めたとき、どうしても築年数に目が行きます。けれども建物の強さという点で見ると、年数そのものより、どの時期の基準で建てられたかのほうが効いてきます。
住宅の耐震に関する基準は、これまでに大きく二度、見直されています。ひとつは1981年、いわゆる新耐震基準の施行です。もうひとつは2000年の改正で、木造住宅について、基礎の仕様や柱の接合部の金物、耐力壁の配置バランスなどが具体的に定められました。
つまり、同じ「築30年」でも、建てられた時期によって前提がちがう可能性があります。ただし、これはあくまで建てられた当時の基準の話です。実際にどうなっているかは、その一棟を調べてみないと分かりません。基準を満たして建てられていても、その後の増築や雨漏りで状態が変わっていることもあります。
だからこそ、年数で切り捨てるのも、年数で安心するのも、どちらも早すぎます。気になる家があるなら、まず状態を見る。それが遠回りに見えて、いちばん確かな進み方です。
手を入れる前に、確かめておきたいこと

大きく三つあります。
ひとつめは、構造です。基礎にひび割れはないか、柱や土台に傷みはないか、床が傾いていないか。ここは間取りの自由度にも直結します。抜ける壁と抜けない壁がおおむね分かってはじめて、「この部屋とこの部屋をつなげられるか」が見えてくるからです。
ふたつめは、断熱です。壁や床、天井に断熱材が入っているか、どれくらい入っているか。古い住宅では、ほとんど入っていないこともあります。ここを確かめておかないと、内装をきれいにしたのに冬の寒さは変わらなかった、ということが起こります。
みっつめは、設備の年数です。給排水管や電気の配線は、壁や床を開けたときが替えどきです。内装を仕上げたあとに手を入れようとすると、せっかく張った壁を壊すことになります。
暮らしていて気づいたことが、設計の材料になります

実際に手を入れた例をひとつご紹介します。
始まりは、お施主様のこんな一言でした。「2階にいると、1階の様子がまったく分からなくて……」
小さなお子様が2階で遊んでいても様子が見えない。家族同士の会話もしづらい。何年も暮らしてきたからこそ出てきた言葉です。
そこでご提案したのが、階をまたいで気配がつながる吹き抜けでした。
工事のあとは、1階のリビングに2階の気配がふんわり届くようになりました。お子様が上で遊んでいても、下から見守れます。光と風の通り道にもなり、空間全体が明るくなりました。
「家の中で、自然と会話が増えました」。そんなお声もいただいています。
この工事の出発点は、カタログでも、他所で見た間取りでもありません。何年も住んだご家族が気づいた、たったひとつの不満です。すでにある家に手を入れるということは、そういう強みを持っているということでもあります。
水元工務店の家づくり:新築で積み重ねたものさしを、既存の住まいへ
すでにある家に手を入れるとき、いちばん頼りになるのは「どこまで良くできるか」を数字で見通せることだと考えています。
水元工務店は新築の家づくりで、建物の強さを一棟ごとに精密に計算する「許容応力度計算」や「省エネ計算」を全棟自社で行い、気密性能についても一棟ごとに現場で実測してきました。耐震等級3・断熱等級7を標準仕様としてご提案しています。
こうして数値と向き合ってきた経験は、そのまま既存の住まいを読み解くものさしになります。ただし、リノベーションで到達できる性能は、もとの建物の状態や構造によって一棟ごとに異なります。新築と同じ数値をどのお住まいでも出せるものではありません。それでも、「この家をどこまであたたかく、どこまで強くできるか」を見極めようとする姿勢は、新築のときと変わりません。
実家をどうするか決めかねている。いまの家をこの先も使いたい。どの段階でも構いませんので、気軽にお声がけください。「うちの場合はどうだろう」というところから、ご一緒に考えます。
これまでに手がけたリフォーム・リノベーションの事例は、こちらにまとめています。
実際に手を入れた住まいをご覧になりたい方は、福井市古市のリノベーションモデルハウスで見学会を開催しています。断熱材がほとんど入っていない状態の住まいが、どこまで変わるのか。立ってみると、言葉より早く伝わります。
お電話でのご予約・ご相談:0120-502-711(リフォーム・リノベーション専用)
※1981年・2000年の耐震基準の見直しは、建築基準法および同施行令の改正によるものです。
※本文でご紹介した施工事例は、水元工務店リフォームサイトに掲載しているものです。工事の内容・仕様は一邸ごとに異なります。
※お客様の声は、いただくご感想を匿名・要約でご紹介したものです(特定の個人・逐語引用ではありません)。
※耐震等級3・断熱等級7は、水元工務店が新築で標準仕様としてご提案している内容です。ご要望・ご予算に応じて等級を調整することもできます(最終的な仕様は打合せのうえ決定いたします)。両等級は住宅性能表示制度の各区分で最も高い水準です。
※リノベーションで到達できる断熱・気密・耐震の性能は、もとの建物の状態により一棟ごとに異なります。
※見学会の開催状況・会場は変更になる場合があります。最新の情報は予約ページでご確認ください。





